ポーカーで「強いハンド」ばかりを狙っていませんか?
実は、どこに座ってプレイするか――つまり「ポジション」の理解が、勝率に大きく影響します。
この記事では、6人・9人テーブルごとのポジション名称や順番、各位置に適した戦略まで詳しく解説。
オンラインカジノでも使える実践的な知識を、初心者にもわかりやすくお届けします。
ポーカーにおける「ポジション」とは何か?

ポーカーにおける「ポジション」とは、プレイヤーがテーブル上で座っている位置のことを指します。ですが、単なる席順ではなく、「アクションの順番」が勝敗を大きく左右する極めて重要な概念です。
テキサスホールデムなどのポーカーゲームでは、各プレイヤーは順番にアクション(ベット、コール、レイズ、フォールドなど)を取っていきます。このとき、誰よりも後に行動できるプレイヤーが、最も多くの情報を得ることができます。例えば、他のプレイヤーがチェックしているのか、強気にレイズしてきたのか――こうした情報を得たうえで判断できるのが「後のポジション」に座っているプレイヤーです。
このように、自分より前にアクションするプレイヤーが多いほど、有利な判断材料が手に入るため、ポーカーでは「後のポジション」が有利だとされています。逆に、最初に行動しなければならないポジションでは、相手の出方を読むことができず、より慎重なプレイが求められます。
ポーカーでは、これらのポジションに名前がついており、戦略的な意味を持っています。たとえば「UTG(アンダー・ザ・ガン)」や「BTN(ボタン)」などです。これらの名称は6人用テーブルと9人用テーブルで多少異なるため、次のセクションで詳しく見ていきましょう。
ポジションの意味を理解することは、相手の動きを読む力を養う第一歩です。次から、具体的なポジション名と配置を見ていきましょう。
6人・9人テーブルのポジション名と配置図

ポーカーにはテーブルに座る人数によって、ポジションの呼び方や数が変わります。
一般的には「6人テーブル(6-max)」と「9人テーブル(フルリング)」が主流で、それぞれで使われるポジション名が異なります。ここでは両方のテーブル構成におけるポジション名称と、その役割について詳しく解説します。
6人テーブルのポジション一覧
6人テーブルはスピード感があり、オンラインカジノでも非常に人気です。各ポジションとその特徴は次のとおりです。
ポジション名 | 略称 | 特徴 |
---|---|---|
アンダー・ザ・ガン | UTG | 最初にアクションする位置。慎重なハンド選びが必要。 |
ハイジャック | HJ | 戦略の幅が少し広がるポジション。 |
カットオフ | CO | レイトポジションの1つ。積極的なプレイが可能。 |
ボタン | BTN | 最後にアクションできる最も有利なポジション。 |
スモールブラインド | SB | 強制ベットがある。フロップ後の行動は不利。 |
ビッグブラインド | BB | 強制ベットがあるが、プリフロップは最後に行動できる。 |
9人テーブルのポジション一覧
9人テーブルはフルリングと呼ばれ、ライブカジノやトーナメントでよく使われます。
6人テーブルに比べてアーリーポジションが増えるのが特徴です。
ポジション名 | 略称 | 特徴 |
---|---|---|
アンダー・ザ・ガン | UTG | 最初にアクションする。慎重な判断が求められる。 |
ラージジャック | LJ | UTGの次。まだ早い位置でレンジは狭め。 |
ハイジャック | HJ | ミドルポジションで選択肢が広がる。 |
カットオフ | CO | レイトポジション。スチールやブラフに最適な位置。 |
ボタン | BTN | 全ての情報を見てから行動できる。非常に有利。 |
スモールブラインド | SB | 強制ベットあり。フロップ後の判断が難しい。 |
ビッグブラインド | BB | 強制ベットあり。プリフロップで最後に行動できる。 |
※9人テーブルでは、UTG+1やMP(ミドルポジション)なども中間的に用いられることがありますが、現在はLJ(ラージジャック)やHJ(ハイジャック)といった略称が一般化しています。
このように、ポジションの名称はテーブル人数に応じて変化しますが、それぞれの座席には明確な戦略的役割があります。とくに、BTNやCOなどの後方ポジションは積極的なプレイが可能で、有利な位置とされています。
まずはテーブルの構成を正確に理解し、自分がどの位置に座っているのかを意識することが、勝つための第一歩となります。
ポジションの順番とアクションの流れ:順番の理解が勝率を上げる

ポーカーの勝敗を大きく左右するのが、アクションの順番です。
プレイヤーがテーブル上でどの位置に座っているかによって、どのタイミングで行動するかが決まり、その順番が情報量と選択肢を左右します。
プリフロップの順番
まず、ゲーム開始直後の「プリフロップ」では、ディーラーボタンの左隣、つまりUTG(アンダー・ザ・ガン)から順にアクションが始まります。
9人テーブルの場合は、以下の順で進みます。
- UTG(アンダー・ザ・ガン)
- LJ(ラージジャック)
- HJ(ハイジャック)
- CO(カットオフ)
- BTN(ボタン)
- SB(スモールブラインド)
- BB(ビッグブラインド)
※6人テーブルでは、LJが省略され、UTG→HJ→CO→BTN→SB→BBの順になります。
この順番は、アクションする前に他プレイヤーの行動を見られるかどうかに関わります。後に行動するほど多くの情報を得られ、柔軟な判断が可能になるのです。
フロップ以降の順番
フロップ、ターン、リバーの各ラウンドでは、スモールブラインドの左隣から時計回りにアクションが行われます。この時、BTN(ボタン)は原則として最も後ろにアクションするポジションとなり、他プレイヤーの全ての動きを確認したうえで、自分の選択ができます。
この「後ろから行動する優位性」を活かすことで、ポーカーではブラフやバリューベットなど戦術の幅が広がります。
ポジションの順番を正しく理解し、どの段階で何をすべきかを判断できるようになることが、ポーカーで勝率を上げるうえで不可欠です。順番の知識は単なる基礎ではなく、実戦で活きる戦略の土台となるものです。
ポジションごとの有利・不利とその理由

ポーカーでは「どこに座るか」が、手札の強さと同じくらい重要です。
なぜなら、ポジションによってアクション順が変わり、入手できる情報の量が違うからです。
ここでは、ポジションごとの有利・不利がどのように発生するのか、その理由を詳しく見ていきましょう。
アーリーポジションは不利になりやすい
アーリーポジション(例:UTG、LJ)は、プリフロップで最初に行動する必要があるため、他のプレイヤーの手札や反応を見ずに判断しなければなりません。そのため、予測不可能な展開に巻き込まれやすく、使用できるスターティングハンドの範囲(レンジ)は自然と狭くなります。
また、フロップ以降も多くのプレイヤーに順番で先に行動する必要があるため、ベットやレイズの判断が難しくなり、結果的に守りのプレイが中心になります。
レイトポジションは有利な選択肢が多い
一方で、CO(カットオフ)やBTN(ボタン)といったレイトポジションは、多くのプレイヤーのアクションを見たあとで判断できるため、戦術の選択肢が広がります。
たとえば、自分の前の全員がフォールドしていれば、弱いハンドでもスチール(ブラインドを奪う)を狙いやすくなります。また、フロップ以降の展開でも、相手のチェックに対して積極的にベットしてプレッシャーをかけることが可能です。
このような「情報の優位性」によって、レイトポジションの勝率は統計的にも高くなる傾向があります。
ミドルポジションはプレイヤーの力量が問われる
ミドルポジション(HJなど)は、前にも後ろにもアクションするプレイヤーがいる中間的な位置です。ここでは、手札の強さと状況判断のバランスが求められ、プレイヤーの力量によって有利にも不利にもなり得ます。
このように、ポーカーではポジションごとに明確な「戦術的優劣」が存在します。自分が今どの位置にいるのかを意識し、それに合ったプレイスタイルを選ぶことが、継続的な勝率アップに直結します。
各ポジション別スターティングハンド戦略

ポーカーで継続的に勝つためには、各ポジションに応じたハンドの選び方が極めて重要です。
すべてのハンドで同じようにプレイしていては、読みやすくなるだけでなく、無駄な損失も増えます。
ここでは、アーリーポジションからレイトポジションまで、それぞれの座席に適したスターティングハンド戦略を解説します。
アーリーポジション(UTG・LJ):絞り込んだプレイが基本
UTGやLJといったアーリーポジションでは、最初に行動するリスクがあるため、使用するスターティングハンドは厳選すべきです。この位置では、プレミアムハンドや高確率で勝てる組み合わせを中心にプレイするのが鉄則です。
具体的には、AA、KK、QQ、AK(スーテッド・オフスート問わず)、AQsなどの上位5%〜10%程度のハンドが推奨されます。これにより、後のアクションでリレイズされても冷静に対応できます。
ミドルポジション(HJ):判断の柔軟さが問われる
HJでは、前方プレイヤーのアクションを確認できるものの、まだ後ろにもプレイヤーが残っています。そのため、やや慎重ながらも幅広いハンドでのプレイが可能です。
たとえば、TT〜88、AJ、ATs、KQs、KJsなどが選択肢に入ってきます。ただし、ポストフロップでの対応力が問われるため、スキルが中級以上であれば積極的なプレイも可能です。
レイトポジション(CO・BTN):攻撃的な戦略が効果的
カットオフ(CO)やボタン(BTN)は、ポーカーにおいて最も有利なポジションです。多くのプレイヤーのアクションを見たうえで判断できるため、ハンドのレンジは広めに設定できます。
この位置では、スーテッドコネクター(例:87s)、ミドルペア(例:66〜44)、さらには弱めのエース(例:A9s、A8o)などもプレイ可能です。とくにCOはスチール(ブラインド奪取)に適しており、ブラフの成功率も高まります。
ブラインドポジション(SB・BB):守りと攻めの使い分け
スモールブラインド(SB)とビッグブラインド(BB)は、強制ベットが発生するため、状況に応じた柔軟な判断力が求められます。
SBでは、自分の後にアクションするプレイヤーがいないため、弱いハンドでは無理せずフォールドを選ぶべきです。逆にBBではプリフロップで最後に行動できるため、リンプインやレイズへの対応を冷静に行うことが重要です。
オンラインカジノで実践するポジション戦略

近年、スマホやPCで手軽に楽しめるオンラインカジノでも、ポーカーは人気の高いゲームの一つです。
しかし、リアルなカジノと異なり相手の表情が見えない分、「ポジション」の意識がより一層重要になります。ここでは、オンライン環境で活きるポジション活用術を解説します。
オンラインでもポジションの有利性は変わらない
オンラインポーカーでも基本ルールは同じです。ポジションによるアクション順や情報量の差は変わらないため、BTNやCOといったレイトポジションでの積極的な戦略は非常に有効です。
特に相手の情報が視覚で得られないオンラインでは、ポジションという「情報の優位性」が唯一の武器になります。後ろから相手の動きを見て判断できる位置を取ることが、勝率に直結します。
HUDとポジションの併用で読みの精度を上げる
多くのオンラインカジノでは、「HUD(ヘッズアップディスプレイ)」を使って相手の統計データを確認できます。VPIPやPFRといった数値とポジションを掛け合わせることで、相手のレンジや行動パターンをより正確に予測できます。
たとえば、BTNから常にレイズするプレイヤーに対しては、BBで広めのレンジで対応するなど、データとポジションの両方を使った戦略構築が可能です。
オンライン初心者は無理にアーリーポジションを攻めない
オンラインカジノに慣れていないうちは、UTGやLJといったアーリーポジションから積極的に仕掛けるのは避けるべきです。情報が少ない状態でのプレイは、相手の反撃に対応できず損失につながりやすくなります。
まずはCOやBTNなど、有利なポジションを活かしたプレイから始めることで、ゲームの流れをつかみやすくなります。
勝つためにはポジション理解が絶対条件

ポーカーで安定して勝つプレイヤーは、決して偶然で勝ち続けているわけではありません。その多くが、「ポジション」の有利不利を深く理解し、それを基に戦略を組み立てています。
同じハンドでも、UTGではフォールドし、BTNではレイズする――このような判断ができるかどうかで、プレイヤーとしての力量が大きく分かれます。テーブルの位置関係がもたらす情報の差を正しく読み取り、アクションの根拠を持つことで、損失を減らし、チップを増やすことができるのです。
特にオンラインカジノでは、視覚的な情報がないぶん、**ポジションが唯一の「読みの武器」**になります。今回解説した6人・9人テーブルのポジションとその活用法をしっかり理解し、実戦で役立ててください。
座る位置が変われば、勝ち方も変わります。